今話題の新作・新刊を楽天でチェックする
殺人の門
東野 圭吾
角川書店 刊
発売日 2006-06
期待をもって望んだだけに、肩透かしをくった感じがした 2006-07-2
4
悪鬼のような友に魅入られ、転落の人生を歩む男の半生を描いた長編小説。
主人公「田島」の友だち「倉持」は、幼少のころから彼に付きまと
い、その都度彼を不幸へと導いていた。おとなになっても、ねずみ講に始ま
り、金のペーパー商法、株の空取引と、法外な事業へ願ってもいない彼を手
引きするのである。そのたびに、田島は倉持へ殺意を抱くのだが、饒舌家で
ある倉持にいつも丸め込まれて、その殺意も霧散してしまうのだった。
物語はこの過程を淡々と描くのであるが、いかんせん物語が長すぎ
る。これだけの内容に600ページを費やす必要があったのだろうか。
作中、田島も次第に疲労困憊していくのだが、それにあわせて読者も
疲労を覚えていくほど、著者が指し示したい方向性をうまく掴みきれない作
品だった。
人はどんなときに殺人への一線を越えるのかという、著者がこの作品
に託したであろう主題も、あまりに一方的で理不尽なことでもそれを運命と
して甘受してしまっている、主人公の性格付けによっていまいち伝わってこ
なかった。
多岐なジャンルにわたって巧くまとめられた作品をたくさん発表して
いる作家だけに、あえて辛口な評価をさせてもらった。
[PR]トイック試験対策サイト